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歴代アメリカ大統領ランキング


ランキングの種類

 アメリカ大統領のランキングにはさまざまな種類のものがある。代表的な調査は、歴史学者のアーサー・シュレジンガーが1948年に歴史学者、政治学者、ジャーナリストに問い合わせて行ったThe Schlesinger Poll, 1948である。歴代大統領をカテゴリーに分別してランキングにしている。さらにシュレジンガーは1962年にも同様にThe Schlesinger Poll, 1962を行っている。
 さらに1968年に、ゲイリー・マラネルがアメリカ歴史家協会のメンバーに問い合わせてThe Maranell Poll, 1968を行っている。これもシュレジンガーと同じく歴代大統領をカテゴリーに分けてランキングにしている。
 他にも1982年、1990年、1994年、2002年、2010年の5回にわたってシエナ研究機構によってランキング調査が行われている。経歴(家系、教育、経験)、党首としての指導力、コミュニケーション能力(演説、執筆)、議会との関係、判事任命、アメリカ経済に関する手腕、運勢、妥協を生み出す能力、リスクを恐れない勇気、省庁人事、全般的な能力、想像力、国内の業績、品性、行政能力、外交の業績、指導力、知性、致命的な失敗を避ける能力、概観という20項目で歴史家による採点が行われた。
 類似した調査として政治専門ケーブル・チャンネルC-SPANによるランキングもある。同ランキングは64名の歴史家や大統領の専門家が調査に参加した。国民を説得する能力、危機におけるリーダーシップ、経済に関する手腕、倫理的権威、国際関係、行政手腕、議会との関係、先見性・方針決定能力、公正の追求、時代の流れに即した行動の10項目、各100点で採点されている。
 近年行われた中で最も広範かつ詳細に行われたランキングはロバート・マレーとティム・ブレシングによるThe Murray-Blessing Rating, 1981である。1981年に行われたこのランキング調査は1997人の歴史学者に質問状が送付され、953人からの回答を得た。
 また132名の著名な歴史、法律、政治の専門家に5点評価で実施したアンケートをもとに、2000年11月、ウォール・ストリート・ジャーナルはThe Wall Street Journal Pollというランキングを行っている。

ランキングの問題性

 ただしこうしたランキングには問題性もある。例えばハリー・トルーマンは、1962年のシュレジンガーのランキングに対して「私が死んでから約30年経つまでは、誰も私の政権を査定することはできない」と語っている。また時代によって求められる大統領像が異なっていたことも指摘されている。他にも歴史家による評価は、全般的に民主党の大統領に対する評価が甘い一方で共和党の大統領に対する評価が厳しい傾向があるという指摘もある。
 例えば民主党と共和党の二大政党制が成立する以前の大統領は評価があまり変わらない傾向にあるが、セオドア・ルーズベルト大統領フランクリン・ルーズベルト大統領ジョン・ケネディ大統領リンドン・ジョンソン大統領ロナルド・レーガン大統領など近年の大統領はランキングが変動しやすい。これは、まだ歴史的評価が定まっていないことに加えて、そうした調査対象の大統領の政治的姿勢が影響していると考えられる。

参考:トルーマンの大統領評

 ハリー・トルーマン大統領は偉大な大統領について次のように答えている。

「共和国の維持に多大な貢献をした大統領の名前を挙げたい。まずはワシントンが共和国を築いた。それからジェファソンは政府を人民のものにした。ジャクソンはそうした方針を続けた。ジェームズ・ポークは版図を太平洋まで拡大して、大陸国家の領域を我々に与え、偉大なる共和国になれる機会を作った。ジェームズ・ポークは、トマス・ジェファソンがルイジアナに対して支払った対価と同じ対価をそうした領域のために支払った。忘れてはならない。もちろんエイブラハム・リンカーンは連邦を救った。彼は連邦を分裂から救った。もし南北戦争が続いていれば、中央アメリカのように4つか5つの国に分裂していただろう。[中略]。次に偉大な大統領達は、グローバー・クリーブランドだ。彼は大統領制を連邦政府の中で適切な位置に据えた。彼は議会の恫喝に屈しなかった。グローバー・クリーブランドの名前の次にはセオドア・ルーズベルトである。ルーズベルトは、政府を搾取する者の手から人民の手に戻す政策を開始した。1912年にウッドロウ・ウィルソンが登場して、そうした方針を続けた。もし第1次世界大戦がなければ、最初の演説で述べた目標を達成できただろう。最終的に彼は第1次世界大戦の講和条約をとりまめた時に、第1次世界大戦ような惨禍を繰り返さないために国際情勢の調整に尽力した。彼は孤立主義者達のせいで成功しなかった。[中略]。そうした者達は第2次世界大戦を引き起こす遠因を作った。フランクリン・ルーズベルトは、私がこれまで名前を挙げてきた人々と同じように大統領制を立て直した。彼は、第2次世界大戦が終わって国連を樹立した時の状況に対応できるように、そして、本来そうあるべき形に大統領制度を鋳直した。[中略]。大統領の中には偉大な者もいるが、そうではない者もいる。私自身は偉大な大統領ではないが、できるだけそうなろうと務めたと言える。私が言えるのはそれだけだ」

各種ランキング一覧

シュレジンジャー(1948)
      
シュレジンジャー(1962)
マレーとブレシング(1962)
マラネル(1968)
WSJ(2000)
C-SPAN(2009)
シエナ機構(2010)
アメリカ政治科学協会(2015)
C-SPAN(2017)
 
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