総資産の比較する場合、建国期と現代の貨幣価値が異なるという問題がある。したがって、現在の貨幣価値に換算している。例えばジョージ・ワシントンは遺言状を作成する際に資産価値を明らかにしているが、その総額は当時のお金で約53万ドルである。
現在のお金だと約53万ドルという額はあまり多くないように思える。しかし、当時の連邦政府の年間予算の7パーセントに相当する額である。したがって、莫大な額と言える。
また貨幣価値の換算には難しい点がある。物価を基準にして換算するか、労働を基準にして換算するかである。物価を基準にする場合、単純化すると次のようになる。1800年に100ドルで小麦10袋を購入できたが、1900年には100ドルで小麦1袋しか購入できなくなった。その場合、1800年のドルの価値は1900年のドルの10倍である。
その一方で労働を基準にして換算するとどうなるのか。1800年に10時間働けば10ドルの賃金を得られたが、1900年には10時間働けば100ドル得られるようになった。その場合、1800年のドルの価値は1900年のドルの10倍である。
もちろん実際の換算はこのように単純ではない。それに物価を基準にして換算した場合と労働を基準にして換算した場合で貨幣価値の換算には大きな差が出る。生産効率が違うからである。
ウォール・ストリート・ジャーナルがどちらを基準にして貨幣価値の換算を行ったかは明示されていない。換算比率からすれば、労働を基準にして換算したと考えられる。
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