日本が大統領制を採用しようとすれば、主に日本国憲法第65条と第66条に抵触する。まず第65条は「行政権は、内閣に属する」と定めている。一方でアメリカ合衆国憲法では行政権は大統領に属している。この規定のみであれば大統領も可能に思えるが、第66条が次のようになっている。 「内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する」 　はっきり首長は「内閣総理大臣」と明言されている。この点を改正しない限り、大統領制の導入は不可能である。結局、もし大統領制にしようとするなら、内閣を規定する65条から75条、さらに天皇制との兼ね合いを考えて1条から8条の改正が最低限必要になる。したがって、現状で日本に大統領制を導入することは難しい。