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予備選挙は、本選に出馬する党の候補者を指名する目的で州が運営する選挙である。大統領の予備選挙は間接的にその機能を果たす。なぜなら投票者は大統領候補者を直接選ぶのではなく、全国党大会に出席する代表を選ぶ。多くの州では予備選挙の投票を党員に限っている。そのような州は、閉じられた予備選挙の州と呼ばれる。開かれた予備選挙の州は、予備選挙の日に投票所で投票者にどの政党の投票を行うか選ぶことを認めている。開かれた予備選挙の州では投票者に党による登録を求めていない。今日では四分の三の州が大統領の予備選挙を採用している。
1904年に予備選挙は初めて導入された。候補者を指名する代表を選ぶ方法としてフロリダ州が最初に予備選挙を採用した州になった。1912年までに15州が同様の予備選挙を採用し、1912年が、候補者が大統領候補指名を獲得する方法として予備選挙を使った最初の年になった。
その年、元大統領のセオドア・ルーズベルトは現職のウィリアム・タフト大統領に挑戦し、9州の予備選挙でタフトに勝利したが、未だに支配的であった党の指導者の反対にあって大統領候補指名を獲得することはできなかった。1916年までに20州の民主党と共和党は代表を予備選挙で選んだ。予備選挙の導入は選挙史において重要である。党員が代表を選ぶことで指名過程の民主化が促進されたからである。しかしながら、その草創期において、予備選挙は多くの投票者を引き付けることができず、そのため予備選挙を廃止した州もあった。代表を選出する過程を改革するために民主党全国委員会がマクガヴァーン=フレイザー委員会を設ける1969年まで有権者の注意を完全にとらえることはできなかった。
党員集会は党員や党の指導者が公職の候補者を指名し、党の運営を行う会合である。大統領候補指名の過程で、党員集会は州党大会とともに全国党大会に出席する代表を選ぶために使われる。およそ20州が党員集会か州党大会、もしくは両方を使い、代表を選ぶ。それぞれの州の政党組織と議会が使われる方式を規定する。党員集会や党大会は代表を選ぶ最も古い形式であり、政党組織に焦点を当てていることから予備選挙とは異なっている。
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