大統領選挙にともなう選挙活動には莫大な資金が必要である。そうした資金はどのように拠出されているのか。基本的には大統領候補本人のポケット・マネー、もしくは政治献金によって賄われる。近年はあまりに莫大な額を要するので全額、もしくは一部が大統領選挙運動基金から支出される。
大統領選挙運動基金は、納税者が所得税を納付する際に3ドルを大統領選挙運動基金に納付するかどうかを決めることで集められる。大統領候補は、予備選挙、全国党大会、本選挙に関する費用を受け取ることができる。
予備選挙については合計10万ドル以上(1口250ドル以下の献金×20州以上)を集めた者に対してそれ同額が大統領選挙運動基金から支給される。
前回の選挙で一般投票の25%以上を得た政党は、全国党大会に関連する費用として200万ドルが支給される。2012年の場合は、共和党と民主党のみである。25%未満の得票率の政党にも比率に応じて支給されるが、得票率が5%未満の政党は支給されない。
本選挙では、2012年の選挙の場合、共和党大統領候補と民主党大統領候補はそれぞれ2,000万ドルを受け取ることができる。他の政党の大統領候補も得票率が5%以上であれば比率に応じて受け取ることができる。
大統領選挙運動基金の受給にあたっては条件がある。まず選挙運動費用の総額が支給限度額を超えないこと。2012年の場合、民主党大統領候補と共和党大統領候補は政治献金を一切受け取ることができない。受給する場合、こうした条件を守らなければならないので、受給を辞退する場合もある。
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