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アメリカ歴代大統領研究ポータル

見事な皮肉

スモーキング・ルームという政治用語の由来

 「煙が充満した部屋」という政治用語がある。それは、密室に少人数が集まって政治交渉することを意味する。
 その由来はウォレン・ハーディングの選挙参謀ハリー・ドアーティの言葉。1920年の共和党大会を前にして次のように予言した。

「ハーディング上院議員が、第1回目の投票、第2回目の投票、第3回目の投票でも大統領候補に指名されることはないと思う。しかし、見込みはある。党大会の金曜日の朝2時15分過ぎ、10人か20人の疲れきった男たちがテーブルの周りに座っている。誰かが『いったい誰を指名すればいいのか』と言ったまさにその時に、ハーディングの友人の一人がハーディングを推薦し、その結果が受け入れられるだろう」

ハリー・ドアーティ
 ドアティーはタバコについては言及していないのでそれは後の創作である。ただハーディングの大統領候補指名は、ブラックストーン・ホテルの一室で開かれた密議でまさにそういう感じで決定した。「オハイオ・ギャング」と呼ばれた政界の有力者の一人だけにドアーティの眼力はなかなか鋭い。