参考:管理人はなぜ大統領を研究するのか
アメリカ大統領を研究する理由
それは大統領制度が世界中で採用されている優れた政治制度だからである。特にアメリカ合衆国は初代大統領が就任して以来、200年以上にわたってそうした政治制度を維持し、現代では超大国として君臨している。建国当初、アメリカ合衆国は今のような超大国ではなかった。人口比で言えば、江戸時代の日本の人口が約3,000万であったのに対し、アメリカ合衆国は約400万の人口を抱えるに過ぎなかった。
アメリカの発展と大統領制
初代アメリカ大統領から現職アメリカ大統領に至る歴史の流れの中でなぜ合衆国が強大な国家に発展したのか。もちろん、その答えは多数あるだろう。世界史の中でアメリカ合衆国が占める位置。アメリカ人の精神や思想。アメリカの地理的条件。アメリカの移民に対する姿勢。アメリカの価値観。アメリカの交通網。挙げればきりはないだろう。しかし、アメリカ合衆国発展の一つの要素として考えられるのが優れた政治制度であると私は考えている。一国の指導者が安定した政権を運営できるか否かは国家の発展にとって重要な問題である。初代アメリカ大統領が就任して以来、大統領制度は合衆国の歴代政権を支えてきた優れた制度である。政治の力は国家の発展に不可欠な要素である。それはアメリカであろうとどこの国であろうと変わりない真理である。
しかし、初代アメリカ大統領の時代から言われてきたことだが、強力な権限を一人の国家元首が握ることには危険が伴う。アメリカ大統領に関しても「帝王的大統領」という言葉でその危険がかねてより指摘されてきた。その課題をどのように克服するのか。それもアメリカ大統領研究の課題であり、政治を考えるうえで忘れてはならない問題である。
アメリカ大統領個人を研究する必要性
国家元首の研究は、制度の研究であると同時に政治家としての個人の研究でもある。リーダーシップとは何か。求められる政治家とは何か。一国の長として何を根拠にして正義や公正とするのか。歴代アメリカ大統領の中で、高い評価を得る大統領がいる一方で、低い評価を下される大統領もいる。それはなぜだろうか。アメリカ大統領は一国の長として何ができて何ができないのか。歴代アメリカ大統領を比較して何か共通項はあるのか。歴代アメリカ大統領の中で暗殺された者が4人にも及ぶのはなぜだろうか。歴代アメリカ大統領は合衆国国民にとってどういう存在なのだろうか。こうした課題を考えるにあたっては、制度研究に加えて、各アメリカ大統領個人を深く知る研究が必要である。
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